格安SIMに関連する用語を簡単に解説します。
SIMカード(シムカード)
「Subscriber Identity Module カード」の略。
ケータイやスマートフォンにセットする、利用者を識別するための固有の番号1が記録されたICカード。
「SIMカード」がセットされていないケータイやスマートフォンはデータ通信、通話が出来ないように制御されている。
キャリアで契約したケータイやスマートフォンには、利用者を識別するためのICカードである「SIMカード[^3]」があらかじめセットされている。
データ通信、通話を行うさい、キャリアではこの「SIMカード」に記録された固有の番号で契約者を特定して、データ通信、音声通話を可能とする仕組みとなっている。
格安SIM(かくやすシム)
キャリアから一括で回線を借りて利用者に提供する事業者(MVNO(エムブイエヌオー))や、キャリア自身が運営する格安のサブブランドを利用する時、ケータイやスマートフォンにセットする専用の「SIMカード」のこと。
格安SIMのSIMカードはキャリアのもの

MVNOの概略図
MVNOはインターネットへの接続設備は持っているのですが、スマートフォンの電波を受信する「基地局」と呼ばれる設備から、全国を網羅する光ファイバー網は、キャリアから借りています。
キャリアは、MVNO向けの通信データを自社の設備を通した後でMVNOに流してやる必要があります。
そのため、MVNOに自社の設備を貸し出す前提として、MVNO向けの契約SIMであることがわかるようにした「SIMカード」をMVNOに貸し出し、端末へのセットを求めます。
最終的に、ユーザーはMVNOから「SIMカード」が渡されます。
(MVNOの実際のサービスはインターネットへの接続設備から先なのですが)ユーザーが手にするモノが「SIMカード」であることから、格安料金で運用可能なSIMカードという意味で「格安SIM」と呼ばれるようになりました。
MVNO(エムブイエヌオー)
Mobile Virtual Network Operator(モバイル ネットワーク オペレーター)の略。日本語では「仮想移動体通信事業者」。
キャリアから一括で回線を借りて利用者に提供する事業者のこと。
格安スマホ(かくやすスマホ)
「格安スマホ」はちょっと曖昧な言葉です。
当然、MVNOとは関係なく、単に「端末代金が安いスマートフォン」のことを指す場合もありますが、「格安SIM」と同じ文脈で語られる場合は、次のいずれかの意味で使われることが多いです。
- MVNOなどの運営会社が「格安SIM」とセットで販売する「安いスマートフォン端末」を示す言葉。
- MVNOなどの運営会社が「格安SIM」とセットで販売した時に「キャリアより安く運用できるスマートフォン端末」であることを示す言葉。
前者はもともとの使われ方と一致すると思うのですが、後者は本体代金が格安ではないスマートフォンでも同じ使われ方をすることがありますので、ちょっとわかりづらいです。
スマートフォン端末をセット販売するときに、「あ。これSIMカードだけじゃないよな…」ということで、「格安スマホ」の販売者を自称するようになりました。
- SIMカードに記録されている固有の番号をIMSI(International Mobile Subscriber Identity)と呼ぶ。 ↩