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格安SIMの基礎知識

格安SIMって何だっけ?その仕組みと、大手3キャリアより安い理由を改めておさらい(2)

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前回は、格安SIM(MVNO)の仕組みを紹介しました。

格安SIMの分類の図
格安SIMって何だっけ?その仕組みと、大手3キャリアより安い理由を改めておさらい(1)

最近、テレビや大型家電量販店で「格安SIM」「格安スマホ」という言葉を目にする機会が増えました。 2 ...

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今回は大手キャリア3社と契約するよりも格安SIMと契約したほうが料金が安くなる理由をわかりやすく説明します。

結論を先に述べると、格安SIM(MVNO)が大手3キャリアより安い理由は、大きく分けて次の2つだけです。

  1. 運営にかかる費用が少ない
  2. どの程度の太さの帯域を何人の利用者に割り振るかがMVNOに任されている

順番に詳しく説明します。

安い理由その1〜運営にかかるお金が安いこと〜

単純な話ですが、これが一番の理由です。

キャリアよりも運営にかかる費用が少なくて済む主なポイントは以下の3点になります。

  1. 携帯電話の基地局や全国を張り巡らせている光ファイバー網などを含む、巨大なモバイル回線の設備をキャリアから借りているため、自前で敷設・維持する必要がない。
  2. 携帯電話の競合他社や海外企業との技術競争を生き抜くための技術開発への投資がキャリアより少なくて済む。
  3. 全国中にサポートショップを配置して運営をしないので、人件費が安く済む。

その他にも、規模としては上記3点には及びませんが、以下の2点も理由に加えられます。

  1. シェア獲得のためのMNP競争への投資(端末代、月額料金の極端な割引)がない。
  2. 最新・高機能なハイスペックなスマートフォン端末を自社で在庫を抱えて販売しない。

ただし、最初に挙げた3つのポイントと比較すると、そこまで大きな差ではありません。

次項から、それぞれのポイントについて詳しく説明します。

自前で敷設・維持する必要がない

モバイル回線の敷設や維持には巨額の投資が必要となりますが、MVNOはこれをキャリアから借りています。

MVNOの概略図

MVNOの概略図

MVNOは、自社で用意する施設がインターネット接続施設から先の部分のみとなります。(図でmineoの緑色で示してある部分です。)
当然、設備投資はその部分のみであり、キャリアと比較にもならないような少額の投資で済むのです。

IIJやOCNなど、インターネットサービスプロバイダ(ISP)がいち早くMVNOの事業に参入したのは、この設備が最初から揃っていて事業に参入しやすかったということが理由です。

その代わり、モバイル回線のレンタル料をキャリアに払っています。

技術開発の投資規模がキャリアより少なくて済む

大手3キャリアは、国内他社を始め海外のキャリアとも常に競争にさらされており、技術開発への投資が必要となります。
2020年頃には5Gの次世代高速データ通信が開始される予定ですが、キャリアは先進的な通信技術を実現するための先行投資を常に行なっています。
当然ですが、現在の設備では実現できないものは、サービスの開始までに設備を整える必要があります。

これらはいずれも、現在提供されていないサービスの開発の費用を、現在の利用者の利用料でまかなっていると捉えられます。

もちろんMVNOもインターネット接続設備の設置などに投資を行いますが、キャリアの投資とは比較にならない規模にとどまります。

サポートショップがない(少ない)ので、人件費が安く済む。

小売業や建設業とは異なり通信サービスを業態とする企業の経費で大きなウェイトを占めるのが人件費です。

キャリアは、通信サービスを業態とする企業ですが、巨大なモバイル回線の設備を敷設、維持管理する意味では建設業でもあり、携帯電話やスマートフォン端末を販売するという面では小売業でもあります。

多くのMVNOはサポートショップがなく(または少なく)人件費が安く抑えられています。

サポート向上を目的としたサポートショップを運営するMVNOもありますが、キャリアのように全国展開しているMVNOはありません。

全てはキャリアが高い理由の裏返し

これまで説明してきたことの裏を返すと、そのまま大手3キャリアのスマホが高い理由となります。
設備投資や先行投資、サポートショップ運営のための人件費が必要なために高いと言えます。

今現在、スマートフォンが全盛となり、キャリアの契約ではデータ通信料金の高さが一番目立っていますが、実はスマホ以前のケータイの頃から1契約に対する月額料金の平均値はそう変わっていないといいます。
従来、通話料で確保していた利用料をデータ通信料金でまかなっているということです。

格安SIM(MVNO)は、それを逆手にとって「裏ワザ」で安くしているといるわけです。

シェア獲得のための不自然なキャンペーンも

ちょっと前までは学生や若者のサイドビジネスとして、「ケータイ乞食」「MNP乞食」というものが流行っていたことをご存知でしょうか。

これは携帯電話の国内シェアが既に飽和して国内の販売台数が増えることがない状態となっているため、競合他社からシェアを奪うことでしか新しい顧客を増やせなくなったために、新規契約やMNPで転入する利用者に対して優遇をし、端末代0円で回線維持費が2年間2円/月といったキャンペーンを行なって、シェアの維持、増加に努めていました。

そして、キャンペーンを目当てに個人が複数回線を契約して定期的にMNPを行いながら、安く手に入れた端末をオークションで販売するなど、普通の商売ではありえないような状態になっていました。

これまで説明してきた内容よりも規模としては小さいのですが、この、新規契約やMNPへのキャンペーン費用も利用料でまかなっていたと言えます。

この状態が健全な状態ではないと判断した総務省が、通話料・通信料と、端末の割引販売を規制する指示を出し、実質0円のスマホをあまり見かけなくなりました。

運営にかかるお金が安いことのまとめ

ここまで説明した内容がよく語られる安い理由です。

しかし、契約者数やその事業規模を考えた時、利用者単位での経費にどの程度の差があるのか感覚的にはわわりません。
その反面、あまり語られることはありませんが、これから説明する内容のほうが運営会社によっては、本当理由と言えるかもしれません。

安い理由その2〜ある帯域を何人の利用者に割り振るかがMVNOに任されている〜

言葉どおりなのですが、「ある帯域を何人の利用者に割り振るかがMVNOに任されている」ためにサービスを安く提供することが出来ています。

これが安くなる理由というのはあまりピンとこないかもしれません。

MVNOがキャリアから借りるのは回線の「帯域」です。
ここで言う「帯域」とは、キャリアの設備から「MVNO」の設備に流す箇所「POI(相互接続点)」にある瞬間に一度に送受信できるデータ量のことです。

MNOから借りている設備・通信量を制限するポイントの図

MNOから借りている設備・通信量を制限するポイント

このキャリアから借りた「帯域」を何人に分けて使ってもいいのです。

MVNOにとって帯域の増強はギャンブル

帯域の増強とよく耳にしますが、これには大きな追加の費用が必要になります。1

さらに、帯域の増強には、MVNO側だけではなくMNO側の工事も必要で、MNOには一カ月前には工事の予約が必要です。
規模が大きくなれば、数ヶ月前や一年以上前から計画をしておく必要があります。

帯域の増強は自社設備とあわせてキャリア側の設備も増強していますので、一度契約した帯域をやすやすと減らすことは出来ません。2

もし、契約者の増加を見越して帯域の増強を計画するのですが、思ったように契約が増えなかった場合、その投資分は無駄になってしまうのです。3

逆に、利用者が契約をしてくれるタイミングはMVNOには制御できません。
意図しないタイミングで大量の契約があった場合、帯域増強の計画がされておらず、すぐ混雑時間帯のデータ通信品質がボロボロになってしまいます。

まさにギャンブルです。

MVNOがどの程度リスクが取れて、予想が当たるかが、MVNOというサービスで通信品質を維持する鍵となります。

つまりどういうことか

少しわかりにくいので単純化して説明します。

あるMVNOA社とB社が、ある瞬間に「100Mbps」の通信が可能な「帯域」を借りる契約をキャリアとしたとします。

A社はこの回線を10000枚のSIMで分けて使うことにしました。
B社はこの回線を1000枚のSIMで分けて使うことにしました。

SIM一枚ごとに通信回線に流せるデータ量が大きいA社の方が当然スムーズにデータを流すことが可能です。

データは、情報のやり取りが行える最小単位「パケット」として通信回線網を移動します。
「POI(相互接続点)」の「帯域」がいっぱいになっているタイミングで新しい「パケット」が届くと、そのパケットはなくなるのではなく「ちょっと待つ」という動きをします。
このちょっと待ったパケットがある時間で通過が確認できなかった場合、送信元はデータを再送します。

この再送が積み重なると、指数関数的にデータの通信が遅くなって行きます。
通信の世界では、これを「輻輳(ふくそう)」と言います。

データ通信はこのような性質を持ちますので、帯域と流れるデータ量が、ある上限を超えると「まるでキャリアと遜色がない」と評価され、ある下限を下回ると「とことんまで遅くなる」という状態になります。

ただし、MVNO各社の通信品質を見る限り、「まるでキャリアと遜色がない」回線を維持することは困難なようです。(2017年9月の時点で実現できているのはUQモバイルくらい)
このため、実はMVNOというビジネスの損益分岐点はかなり低いと予想しています。

ある帯域を何人の利用者に割り振るかがMVNOに任されていることのまとめ

リスクを取って予想が当たれば評判を得られるけれど、リスクを取らないほうが短期的にはMVNOにとって利益になってしまうのです。
帯域の増強をしないのではなく、リスクが大きすぎて取れないMVNOもあるということです。

そして結果的に、混雑時間帯のデータ通信に関しては、リスクが取れない運営会社のMVNOでは「安かろう悪かろう」がまかり通ってしまうというわけです。

当然、回線の増強を定期的に計画してサービスの質を出来る限り維持しながら、利用者を獲得し続けているMVNOもあります。
話が脱線してしまいましたが、格安SIM(MVNO)を選ぶ際は、ユーザが増えていて、評判が悪くないMVNOを選ぶことをおすすめします。

安さの意味、その理由

今回は、格安SIM(MVNO)がなぜ大手3キャリアより安くサービスを提供できるかを解説しましたが、いかがでしょうか。

意図的にサブブランド(ワイモバイル)についての解説は省きました。
現状では、サービスを少なくして提供している廉価版ソフトバンクとして機能していますので、他社と比べると申し訳なく感じてしまうためです。

次回は、格安SIMでどの程度安くなるかを解説します。


  1. NTTドコモの公式ページに標準卸売価格についての資料も公開されています。興味がある向きはご確認ください。 
  2. これまでも廃業したMVNOがありますが、回線を破棄したという話は聞きません。
    他の企業に、MNOと契約中の帯域ごと他社に移譲することが一般的です。
    ぷららモバイルはOCNモバイルONEに、ServersMan SIM LTEがTONEに、というイメージです。 
  3. 現契約者の混雑時間帯の通信が早くなり、評判がよくなる副作用もあります。 

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